古今亭菊之丞x久本雅美 つづき

  • 2015.01.20 Tuesday
  • 05:16


一目小春に会いたい。
その一心で北の屋を訪ねたが
目の前の現れたのは小春の位牌だった。


三月前、若旦那は小春と芝居へ行く約束をしていた。

約束の日に蔵へ閉じ込められたのだ。


その日、待ちきれない小春は朝早くから起きて化粧を始める。

ところが昼になっても迎えに来ない。

夕方になっても・・・

心配で心配で仕方の無い小春は、とうとう思い余って手紙を書いた。


次の日の朝も、早くから起きだして手紙を書く
夕方にも一通

毎日毎日、手紙を書いたが、とうとう若旦那は来なかった。

「若旦那に嫌われたんじゃないかしら」

次第に食べるものも喉を通らなくなり
とうとう起きることも出来なくなった。

20日前、若旦那のあつらえた三味線が出来上がってきた。

小春も喜んで「弾いてみた」

抱き起こして三味線を持たせると、
残った力を振り絞るように、一度だけバチを当てるのが精一杯だった。

女将が「いい音色だね」と言うと、小春はにっこり笑って・・・

様態が急変したのはその直後だった。


今日は小春の三七日 ※※

急いで酒の支度を整え

仏壇に三味線を供え
若旦那が線香をあげる

若旦那が杯を口に運んだ時、三味線の音が聞こえ始めた。

小春が若旦那の好きだった「黒髪」を弾いているのだ。


小春・・・ すまなかった
自分の命を縮めてまで私をことを思っていてくれてありがとうね小春

あたしゃね、金輪際 女房と名のつくものを持たない
どうかそれで堪忍してくれ


酒を飲み干す若旦那・・・

すると突然、三味線の音が止んだ

どうしたんだ小春

続きを弾いてくれ 懇願する若旦那に

女将は
もういけません若旦那

仏壇のお線香が「たちきり」ました。









たちきり

別の題名もある。
「たちぎえ」、「たちぎれ」、「たちぎれ」
「たちぎれ線香」

線香の燃え尽きるさまを「たちぎえ」または「たちぎれ」と称する。


芸者衆のお座敷で時間を計るために線香を使っていた。

線香一本の燃え尽きるまでが、お座敷の時間制限となる。

線香が残り少なくなってくると、延長するかどうかを旦那に聞くわけだ。


この噺は上方落語として桂米朝などが得意としていた。
もともとの題名は「立ち切れ線香」。

「反魂香 はんごんこう」という話をもとに作られたとされている。


※※
三七日: みなのか

つまり21日目ということ。
 

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